年末年始休業のお知らせ
師走に入り、何かと気ぜわしい時期となりましたが、千原温泉の湯は何ひとつ変わることなくポコポ …
※この情報は過去のものです。
「余話」とするのはいささか場違いですが、ちょっと自己紹介。 発足して一年、島根県第一号の「民泊プロジェクト」があります。 このホームページでもリンクしている創菜料理の店・ゆるりと、 その近所の二軒の民家、飯南町にある日帰り温泉「加田の湯」、 それに千原温泉を加えた「まごころステイ・ゆるりの里」です。
「美郷、飯南は観光地ではないので、わずかしか宿がありません。 日帰り温泉の千原温泉、加田の湯、そして創菜料理ゆるりをご利用の お客様から、ゆっくり滞在したいという要望が度々ありました。 そこで近くの民家が宿を提供することになった、『ゆるりの里』が 生まれました」(以下もパンフレットより)
「山里では四季を味わうことが、何よりのご馳走です。山の幸・ 川の幸をふんだんに使い安全な食材を、昔ながらの知恵で料理いたし ました。アイガモ米の麦ご飯や地元の減農薬野菜など、季節の食材 をお楽しみください」
「元来温泉は湯治を目的としていました。湯治とは治療することで あり、その効果を高めるため湧き出したばかりのお湯に手を加えず 浸かるものだったそうです。ゆるりの里には、そんなたしかな温泉が あります」
「普通の民家なので何のもてなしも出来ませんが、布団だけは用意 してありますので、ゆっくりくつろいでください。土地のことや 百姓のことを話したり、旅の思い出話や世間話の聞き役くらいには なります」
民泊体験とゆるりでの夕朝食、それに二ヶ所の温泉二回入湯付きで おひとり8500円です。
お問い合わせはゆるり 電話0855-75-0607*現在は閉館
昔を思い出させる山里に抱かれ、普段着の落ち着いた雰囲気の中で、 飾り気のない触れ合いを体感するのも、時代にマッチした旅の形の ひとつかもしれません。
常連のおひとりである、湯川愛子さんの「私の日記」から。
「中国山地のほぼ中央を貫流して日本海に注ぐ中国太郎・江の川。 本流支流の流域には小さな集落が点在、本流に沿って走るJR三江線は 一両の列車が一日数本走るだけの偉大なるローカル線です。 ゆったりと流れる川、時たまガーと音を立てて走る列車、のどかな 里山の景色、千メートル級の三瓶山と琴引山・・・ そして、何より素朴な人情が私を惹きつけるのです」

秋から初夏にかけては、最後にぬくもるための上がり湯を 沸かしています。これが五右衛門風呂です。
温泉の一日はこの上がり湯を薪で沸かすことから始まります。
パチパチとはぜる音、ほのかに立ちのぼる煙が湯気を誘って、
いかにも昔ながらの風情です。 湧き出した源泉を汲んでそのまま沸かすため、表面には膜が できるほど。
加えて熱の湯と呼ばれる成分のため、それはもう 体の芯から温まること請け合い。
長く源泉に使って、最後はしっかりと上がり湯でぬくもる。
こんな温泉のつかり方も、かなり珍しいものでしょう。

ところでこの五右衛門風呂ですが、全国で唯一のメーカーが 広島県にあるそうです。
広島といえば、ここでは最もお客さまの多い県でもあり、
なるほど、いろいろとお世話になっているのだな、と。
ただ、五右衛門風呂は熱効率が良いので、その分ほどよい
湯加減に沸かすのは、なかなかに難しいものがあります。
熱すぎて大変、ぬるくてブルブル、といったお客さまの苦情が
聞こえてきそうです。
そこは昔のまま、近代化に乗り遅れてしまった故の辛さと。
お許しいただきますよう。
わけても、静かにつかることが出来るのは平日の午前と夕方。
のんびりじっくりつかり、千原温泉の底力を実感してください。